2025年04月01日
【コラム】なぜ4月1日生まれの子供までが上の学年で、4月2日生まれからは下の学年になるのか?
日本の学校年度は4月から始まり、翌年の3月に終わります。このため、学年の区切りは4月1日から翌年の3月31日までとなります。そして、学校教育法第17条には、以下のように規定されています。
学校教育法第17条 保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。<以下略> |
この条文により、満6歳になる日が学年の区切りとなることが明確にされています。
ここで少し疑問が発生します、だったら3月31日生まれまでは上の学年で、4月1日生まれからは、下の学年になるのではないか?
ところが実際には、タイトルにあるように、4月1日生まれの子供までが上の学年で、4月2日生まれからは下の学年になっています。これはどういう事でしょう?
ここで「年齢計算ニ関スル法律」という明治時代にできた法律を読んでみますと、この法律では、年齢は出生の日を1日目として計算し、その期間は起算日応当日の前日に満了する、つまり、満年齢は誕生日の前日に達することとされています。
年齢計算ニ関スル法律 ① 年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス ② 民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス <以下略> |
つまり、4月1日生まれの子供が6歳になるのは4月1日ではなく3月31日の最後の瞬間と言うことなのです。3月31日が終わる瞬間と4月1日になった瞬間は時間としては限りなくイコールなのですが、法律上は明確に区別されているという事です。
このため、4月1日生まれの子供は3月31日が4月1日に変わろうとする、最後の瞬間(まだ3月31日)に満6歳となり、その翌日から始まる学年に属することになります。
因みに、この法律があるおかげで、閏日の2月29日生まれの人も4年に一回しか歳を取らないわけではなく、前日2月28日の最後の瞬間に年を取りますので、毎年無事に歳を取っていくことになります。
なお、誕生日は誕生した日を祝うのですから4月1日生まれの人は4月1日が誕生日であり、その日にお祝いをする事は間違いではありません。